ホワイトカラーが死蔵される「社内失業」の聖域 ── JTC(大企業)を蝕むメンバーシップ型の不都合な真実【全10回連載 最終回】
──高給取り を“仕事のない椅子”に座らせ続ける国の病理。 「なぜ、この会社には仕事をしていない高給取りがこれほど多いのか」。 若手社員が抱くこの素朴な疑問の裏には、JTC(Japanese Traditional Company:日本型大企業)が半世紀以上かけて築き上げてきた、あまりに不都合な構造的欠陥が隠されています。 かつて高度経済成長を支えた「メンバーシップ型雇用」の成功体験は、今では経済の停滞を招く足かせとなっています。 40年間、巨大組織の内側でその変遷を眺めてきた筆者が、実体験に基づき、JTCがひた隠しにする「人余りの真実」を解剖します。 <筆者紹介> 東京大学建築学科卒業後、スーパーゼネコン、大手インフラ企業に勤務。 約40年にわたり、日本型大企業(JTC)という共同体の内部を観測する。 出世競争という制度的ゲームからは早期に身を引き、 組織の評価ではなく、個人の「実体」に投資する道を選ぶ。 🕮目次 Ⅰ.大企業に滞留するホワイトカラー ── 事務部門の肥大化 Ⅱ. 原因は、時代錯誤な「先行投資型」の新卒一括採用 Ⅲ. 時代に合わなくなったメンバーシップ型の不都合な真実 Ⅳ. 聖域を支える「非正規」という名の生贄制度 Ⅴ.まとめ ── 肥大化した「脂肪」という名の生存戦略 Ⅰ.大企業に滞留するホワイトカラー ── 事務部門の肥大化 日本では人手不足が広く指摘されていますが、その一方で大企業のホワイトカラー、とくに事務部門や間接部門では人員が余剰ではないかという見方もあります。 実際、就業者に占めるホワイトカラーの比率は1980年の28.6%から2023年には41.7%へと上昇しており、人数も増え続けています( 引用: なぜホワイトカラーは減らなかったのか:リクルートワークス研究所 )。 注目すべきは、この増加がオフィス業務の効率化が進んだ時代にもかかわらず続いてきたことです。 1980年代は、いわゆるOA(オフィス・オートメーション)が本格的に導入され始めた時期でした。 パソコンやワープロ、電子メールなどが普及すれば、事務作業は効率化され、ホワイトカラーの人数はむしろ減少しても不思議ではありません。 しかし現実には、その後40年以上にわたりホワイトカラーの比率は上昇を続けてきました。 この点に...